癌ステージⅣを5年生きて 15

散骨の風ディレクター KYOKO

今回は、連休明けなので、連休中の仕事の事を書きます。

八丈島での思い出

今年の連休後半は、散骨で八丈島に行った。八丈は50年以上前から何度も行っている島である。最初は高校の演劇部の先輩達から、島の魅力を何度も聞かされ、憧れて行った。船で約11時間、夜出港して朝に着く。私は意外にも船に強く、その時の思い出が船好き、海好き、島好きにしたようだ。底土海岸で泳げば、荒波に身体を弄(もてあそ)ばれて、岩に叩きつけられたかと思うと、引き波に足をすくわれるなど、島の洗礼を受けたが、高校1年の夏の伝統行事、房総鵜原の遠泳で鍛えられて、下手ではあるが長時間泳ぐのには自信があった。島の自然の美しさ、雄大さ、島民の人情、帰る時は島と別れ難く、船のデッキで八丈太鼓の見送りと別れに投げられる色とりどりのテープに涙が止まらなかった。

八丈島の散骨

今回久しぶりに、八丈島に行って驚いた。コロナのせいで閉めている店も多く、まるでゴーストタウンの様に寂れている。島の人口も四分の一位に減ったと聞いた。コンビニは無く、食事時開いている店は、どこも満席で2件あるスーパーだけが頼りだった。

それでも5月3日は天候に恵まれ、強風も治まり波高も落ち、なかなか巡り合えない散骨日和となった。気温も丁度良く、スカイブルーの空に群青の海、波を切って船は進んだ。私たちにとっては八丈の良い波だったが、小型船に乗り慣れていない人には揺れがきつかったかも知れない。やはり東京湾や相模湾とは違う、太平洋だ。そこで放たれた遺灰は、正に地球を廻る感じがする。やがて風になり、ご遺族の許(もと)に戻って行く。

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