大人数の散骨


今日は久しぶりにのんびりした朝を過ごしている。この開放感は何ヶ月ぶりだろう。意外に疲労感もなく、体が軽い。溜まっている家事もはかどり、窓の網戸の側には2匹の猫が外の鳥を見ては興奮している。

昨日は、今年最大の山場の一つで、大変な1日だった。まず、天気予報がめちゃくちゃで、当日の朝まで分からなかった。その日になってもコロコロ変わり、始終気を揉みっぱなしだった。

朝、8時に葉山へ行き、海の様子を見、その日の船長と相談する。大丈夫だろうということになり、最終的にお客様に連絡。その日は午前、午後散骨があり、それぞれ人数が多く、こだわりも強い。遠くから来る方も居て、早く連絡しなければ1時に間に合わないかもしれないのだ。

2日前の予報で、24日は海上大荒れ模様と判断、その影響が25日の午前まで残りそうで、午前中の方は、午後3時に変更して頂いた。それでも前日になり、相模湾3mの波がどこまで治まるか、1時に出来るかは、予測が出来なかった。おまけに雨マーク。しかし、予報では、南風は北に変わり、それほど強くないはず。それなのに25日当日、風は強く、天気は晴れ。

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最初のグループは、定員いっぱい乗り、茅ヶ崎から別の船を出した友人グループが10人乗り、沖で落ち合うという。故人は50代と若く、事故で亡くなられ、友達が多いのだ。人が増えれば増えるほど、海洋散骨の困難度は高まる。それぞれのスケジュールで、延期が難しい。必ず船に弱い人がいる。連絡が徹底しにくい。意思の疎通が難しい。喪主の方の大変さもひとかたではない。気の置けない人ばかりではないから、気を使う。

午後1時滑り出しは順調。天気は晴れ、少々暑いが、海風は快い。北の風を受け、南西方向、茅ヶ崎沖へ向かう。向かい風ではないが、やはり揺れは、普通より強く、船酔いする方が何人か出てくる。30分ほど走り、あらかじめ決めて置いた緯度経度に到着。しかし、もう一つの船の姿は見えない。無線や携帯で連絡し合うが、どこにいるのか全然分からない。結局遭えずに、散骨は始まる。「岬めぐり」の曲が流れ、次々に水溶紙に包まれたご遺灰が海に還される。好きだったコーヒーも海に。お別れの鐘に黙祷し、何とか終わった。

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そして3時のグループ。皆様早々と到着されていた。ベビーカーの赤ちゃんもいる。風が強く、三戸浜まで行くのは心配だったが、我慢して乗って頂くしかない。幸い晴れ、と思いきや曇ってきて、雨が来そうな気配。用意してもらったビニールコート14人分も持って船に乗る。赤ちゃんは6ヶ月位の女の子だが、終始にこやかで機嫌が良い。

このご家族のお父様は、三浦の海で育ち、宮田湾の沖にという強いご希望があった。ご高齢になった高校の同級生もお乗りになり、海からの三戸浜の景色を懐かしむ。

風は南に変わり、波飛沫が凄い。船酔の人も出るが、赤ちゃんは元気、でも少し緊張しているかも。

お父様の散骨に関しては、ご家族で随分悩まれ、横須賀の船を下見し、葉山にも行かれ、随分検討をされていた。それでも最後まで音楽が決まらず、前日の夜に西部劇の曲に決まった。「東海林太郎じゃないか、いや、裕次郎か加山雄三」「お父さんは何を聞いていたんだろう」「でも、やっぱりジョン・ウェインの西部劇が好きだったよね」

私は、我社の三種の神器「花、音楽、酒(飲み物)」で、故人について家族で語り合ってほしいと思っている。あっさり分からないではなく、いろいろ思いを巡らしてほしいのだ。形を残さない散骨だから、思い出すこと、故人について考えることがテーマであり、最大の供養なのだ。

私は、夜なべをして、借りてきた西部劇の音楽を何度も聞き編集した。「駅馬車」を使いたかったが、台詞が多すぎて使えず、ジョン・ウェイン以外のもいれることにした。

編集したものを朝聞いて気に入らず、また並べ替えたりした。朝に海の様子を見に行ったり、天気の判断に苦しみ、花篭を作るのに時間が足りなくなり、故人のためのコーヒーを点て、雨のための用意もし、大変裡に午前が過ぎた。

三戸浜沖、波が高く献杯は省略したが、海にビールを捧げ、ご遺族のご挨拶も済み、無事終了。「アラモ」のテーマを最後に流した。

赤ちゃんは、お別れの鐘にビックリし、泣き出したが、すぐに泣き止んだ。帰路、赤ちゃんはベビーカーでスヤスヤ。お父さんも疲れて、側でスヤスヤ。

下船後、皆様で会食をなさった。

大人数の場合、食事の予約も大変だ。天気が影響するだけに、キャンセル料が掛からない所、美味しくて、人数が入れるところ。苦労は耐えない。以前に清水に45人位で散骨なさった方は、丁度清水のお祭りと重なり、レストランが混んで予約が取れず、貸切のバスで、皆さんでお弁当を召し上がった。

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