お客様の声(風の日誌)

散骨式などのエピソードを読める「風の日誌」を過去のものから全てを掲載しています。過去のものは右の目次からどうぞ。

2005年1月

2005/01/18 献体と散骨
2005/01/13 悲しくて悲しくって

2005年1月18日

献体と散骨

1ヶ月ほど前になるのだが、私たちは埼玉県にある明海大学を訪れ、献体のご遺骨をお預かりした。献体なさった方のご遺骨は何回か海にお還ししたが、大学まで行くのは初めてである。

大学病院の後ろ側にある歯学部解剖学科で担当の先生にお会いすると、ご遺骨の安置所に案内された。そこには祭壇があり、お線香が炊かれ、横には白い被いの掛けられた骨壷が10位置かれていた。

普通、1年後に火葬してご遺族に返されるらしい。先生からご遺族の方への、お礼状とお香典、お供えの品を受け取りご遺骨と共にお預かりした。担当の先生も感じ良く、ご遺体がいろいろと丁寧に扱われていることを感じさせられた。

生前に自分の最後をどう終わらせるか、遺書を書く方は、アメリカに比べ日本はまだ少ないようだが、社会的に意識を持っていらっしゃる方が献体をし、自然に還されるということが少なくないようだ。

Kさんは、遺言どおり献体され、1年後にお孫さんと友人たちに送られ海にお眠りになった。

そして一昨日は、瑞江の火葬場へご遺骨をお預かりに行った。最近は、火葬後すぐにお預かりし、委託で散骨をすることも多い。それぞれのご家庭のご事情である。

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2005年1月13日

悲しくて悲しくって

「風」の散骨に参加された方を散骨するのは、今日で2回目である。どちらも1年前には、元気にご身内の散骨に参加されていた。1回目のKさんは、旦那様を散骨されて1年経たない位にご病気で亡くなられた。60代半ばである。

そして今日のOさんは、1昨年の春にお父様の散骨にいらしたのだ。その時は、本当に珍しくたくさんのイルカが現れ、同乗されたお嬢さんもとても喜んでいらした。その元気だったOさんをお父様と同じ場所に今日お還しした。

51歳だった。私は、まさかとも思い、でもうすうすもしかしたら、と思っていたが、聞けないでいたのだ。散骨が終わった時、奥様が、ぽつんとおっしゃった。「自分で死んじゃったんですよね。ずっと欝だったんですけど。でもまだ、許せないんです。」

私にはその気持ちが痛いほど分かった。まだ10代のお嬢さん2人を残して先に逝ってしまったのだ。今、日本もそして世界中が病んでいる。嫌な事ばかりが日常茶飯事だ。死んでしまいたい、死んだ方がましだと思うことばかりである。

でも、残された人の気持ち、その辛さが分かるから、絶対に死ねない、生きようと思う。どんなに辛いことがあっても生きなければと思う。

しかし、亡くなった方、生きていられなかった方の気持ちも本当に良く分かる。最後まで、苦しみ、生きる道を模索していたのだと思う。そして最後は、もう正気ではないのだ。本当にひたすら病だったのです。病んで病んで心を失ってしまっていたのです。どうか、苦しんで苦しんで逝ってしまった彼をそのうち許してあげてほしい。

冷たい空気の中、富士山がひときわ美しく、真冬の相模灘、Oさんのご遺灰は、不思議なほど、海中に青白く、大きな白い厚地の布を広げたように、大きく広がり、その白い面を残したまま澄んだ藍色の世界を水底へ下りて行った。その藍色の中の白い遺灰の美しさは、あまりにも悲しくて、流れていた「はなみずき」の曲もまた悲しくて、冷たい空気の中、張り裂けそう胸の痛みをじっと耐え、何も言葉にできなかった。

2005年、最初の散骨である。

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