お客様の声・風の声 2008年9月
2008/09/20 他界から14年の歳月を経て
2008年9月20日
他界から14年の歳月を経て
厳しい暑さが続いています。城ヶ島沖での、夫・Nの散骨では大変お世話になりました。夫の他界から14年の歳月を経て散骨を決意し、命日月に実施できましたことに、心から感謝し御礼を申し上げます。ありがとうございました。また、数日前に海洋葬実施証明書が届きました。当日の青い空に白い雲、どこまでも透明な青い海は波も穏やかで、夫が大自然の祝福を受けて迎え入れられた感触が爽やかに蘇ってきます。波間に漂う色とりどりの百合の花と黄色いひまわりの花が海の色に映え美しく、あの日の海の色は一生忘れることの無い特別の色として記憶に残ることでしょう。夫の大好きなジャズをBGMに、シンプルで清々しい散骨式でした。
遺影の夫は若く穏やかな微笑みを浮かべています。14年前、45歳という若さで逝ってしまった夫の遺骨を抱えた時に、どうしても墓所に納骨する気持ちになれませんでした。それは私たちに墓守をする子どもがいないという理由の他に、地中に納骨することへの拒否感もあってでした。私は煙のように消えてなにも束縛されることのない解放こそが「現世との別れ」だと感じていて、夫もそうあるべきだとの想いがありました。夫から散骨という言葉があったわけではありませんが、漠然と「私が死んだら夫婦一緒に散骨を」と考えるようになりました。しかし、今から14年前は散骨という言葉が表立って口にすることがはばかられる時代で、陰でコソコソ調べた記憶が残っています。
今春、夫を解放してあげたいと強い想いにつながる色々なきっかけが重なり、散骨もだんだんと市民権を得られてきていること、夫の散骨は私の手で行いたいという気持ちが強くなった時に、ネット検索を通じて海洋自然葬「風」との出会いがあり、船長夫妻にお目にかかりそのお人柄の惹かれて実施を決意しました。また、夫の兄姉の了承を得ることができたのは、14年という長い歳月と、夫といちばん仲良しだった姉が大きな理解を示してくれたことによるものと、心から感謝しています。
今、私の手元には一握りの遺灰が残っています。散骨に理解を示してくれた義姉と共にマウイ島へ行き、浜辺から遺灰を流すことにしました。マウイ島は季節外れの休暇で夫と何度も訪れた思い出の地です。日焼けすることが大好き、ダイビングよりプールサイドとゴルフが大好きな夫で、日本ではコートを羽織る冬の12月に、顰蹙をかうような真っ黒に日焼けした顔に、会社のスタッフから「チョコボール」のあだ名がついたほどです。私たち夫婦が30代の頃の楽しい思い出です。そんな思い出の地に義姉を案内しつつ、二人だけで弟の、夫の、思い出話を心ゆくまでする旅行の計画ですが、夫も久しぶりのマウイ島行くに顔がほころんでいるに違いありません。
百合の香りに包まれた14回目の命日に、
風の船長夫妻へ感謝を込めて・・・
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