お客様の声・風の声 2008年10月
2008/10/11 伊豆大島での散骨
2008年10月11日
伊豆大島での散骨
去る7日、伊豆大島での散骨が無事終わった。
沖縄や新島、式根島、八丈島などでは、過去に何度か実施しているのに大島は初めてであった。東京から一番近い島であるのに。しかし、その近さが以外に曲者かも知れない。飛行機で30分、高速船でも2時間位の場所で、日帰りも可能だ。でも、その交通機関は脆弱で、天気に弱い。強い雨で飛行機が欠航してしまったりする。
今回も最初の予定は6日だったが、前日の夜に1日延ばすことになった。6日の朝の飛行機は、大島上空まで飛び、着陸出来ず羽田に引き返したそうだ。ご遺族も日帰りの予定を変更し、大島に1泊なさった。
40歳の旦那様を亡くされた奥様と子どもたち、そのご両親の5名である。その日が丁度一周忌だったのだ。
そして7日。青く澄み切った空、秋の雲がきれいなさわやかな日となった。歌などで有名な波浮の港を昼頃出港した。波も大分治まり、この時期でも飛び魚の数が凄い。
素晴らしい海の藍さである。明るくアクリルの様な、濃い本当のマリンブルー。こんな色を見たのは久しぶりである。沖縄の海の青さとも黒潮の蒼さとも違う。一見透明度が感じられないほど濃いブルーでしかも明るく濁りがない。水彩でも油絵でもない滑らかな質感の青。悲しいけれど悲しさを感じさせない青。その青に故人の好きだったお酒と刻まれた手紙が溶けて行く。色とりどりの花々が想いを乗せて、大きなうねりの波にしばし漂う。
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