癌ステージⅣを5年生きて 1

散骨の風ディレクター KYOKO

この1年コロナ感染者の数が増え、そこに注目が集まる昨今ですが、それ以外のいろいろな病気で、大変な思いをされていらっしゃる方が、私の周りにもおり、私自身が奇跡的に癌で生きている現在、その経験も何かの参考にと考え、私の癌の事を少しずつ書いて行こうと思いました。

私の癌の病歴は約10年前、咳が長く続いた事が切っ掛けで、レントゲンを撮ったところ、一見何も無いと思われる画像を、掛かりつけの先生がちょっと気に掛かるというので、CTを撮ると、左胸に癌が見つかりました。

それは乳がんステージⅡa、リンパや他臓器に転移はなく、ラッキーにも温存法にて手術が出来ると言われました。私は日頃から死ぬのなら癌がいいと思っていて、楽観的でしたから、がん保険に入っていて良かったと思いました。それに乳がんは生存率が高いので死ぬことは無いだろうと思っていました。入院し、手術は上手くいき、本人は気楽でしたが、先生方やスタッフの皆さんには本当にお世話に成りました。癌と聞いても大丈夫と言う私でしたが、夫には大事件で友だちに電話をしまくり、本当に生きた心地もしない位心配していました。

術後は次の日からリハビリが始まり、順調な回復でしたが、私は仕事のことが心配で心配で、5日目には無理を言って退院させて頂きました。その次の日に、私がいろいろと準備をしていた散骨があり、人には任せられない気持ちで、当然の如く船に乗って仕事をしました。本当は1週間入院していた方が良かったのでしょうが、私は完全に復活した気分でした。その後、1か月放射線治療をし、定期的に病院に通い、60代をハードに仕事する生活が続きました。

次回に続く