葬儀や散骨を巡る旅

変わってきた日本の葬儀事情や散骨の思い出も含め、連載で少しずつ紹介していきます。

03/19:カリフォルニアを訪ねて / 葬儀大学取材 3

葬儀ディレクターへの高いハードル

葬儀ディレクターは通常の勤務の後でも、24時間電話の対応が求められる。規則的な休日も望めない3Kの仕事である。しかし、この業界を目指し大学や、カレッジに入学する人は増加傾向にある。
彼らの多くは「困っている人を助けたい!」というモチベーションが基本にあるようだ。そして、葬儀業界をサービス業と認識し、ほとんどの学生は就学前に他の分野の就業経験がある。
「米国葬儀サービス教育委員会」の資料によると、卒業時の平均年齢は20代後半で、三分の一を女性が占めている。「米国葬儀サービス教育委員会」はメイン州にあり大学への入学や試験の情報を取りまとめている。入学試験は、個々の大学やカレッジで行い、葬儀ディレクターの免許試験は各州政府の監督下で行われる。

「米国葬儀サービス教育委員会」の教育指針(カリキュラム)

この教育委員会は「ヒューマンサービスプロフェッショナル」をポリシーとしている。

社会科学

  • 葬儀・葬送の歴史
  • 葬儀サービスの社会学
  • 悲痛の心理学
  • 遺族へのカウンセリング

法律および倫理学

  • ビジネス法律
  • 葬儀サービス法律
  • 葬儀サービス倫理学

科学

  • 微生物学
  • 病理学
  • 化学
  • 解剖学
  • エンバーミング
  • 復元学

ビジネス

  • スモールビジネスマネージメント
  • 葬儀社マネジメント
  • コンピューター技術

そして、卒業前後に他の業種より長い二年間の研修期間を求められる。それは現場での専門知識が求められるからであろう。カレッジ卒業生は、準学士号が取得できるが、州によっては四年制大学卒業を義務づけ、さらに二年間の研修が求められる。就職後の収入は決して高額ではないが、学生たちは意欲的に学んでいた。

次の章で学生、教師のインタビューを書くが、職業倫理、思いやり、カウンセリング、心理学などのキーワードが多く語られた。米国人の意外な一面が発見できた思いである。米国での尊敬される職業の上位に入っている。ちなみに銀行員、弁護士は下位の常連である。