癌ステージⅣを5年生きて 46

散骨の風ディレクター KYOKO

太る夏

もう夏と呼んでいいだろうか。目まぐるしく変わる季節について行けず、衣替えも済んでいない。今日の暑さに、取り敢えずすぐ出る夏のシャツを着てみたが、みんな小さい。去年まで何とか着ていたが、今年は無理なのが多い。私はこの夏まで生きていると思っていなかったから、去年ずいぶん夏物を捨てた。古いサンダルも捨てて履く物が無く、昨日買った。時計も壊れたので買った。どちらも2千円台である。時計の電池は1年半持つという。そんなに持つなんて、私は無理だろう。私は捨てるのが嫌だからなるべく買わないようにしている。でも、また太ってしまったようで、必要最低限は買わないと。なるべく安い物が良い、当座の物だ

それでも最近、食欲があまり無く、どうせ無いのなら食べずにいてもいいな、ダイエットだから。と言いながら、でも食べないと元気が出ないから、と思い直し、鰹節掛けご飯でよいと思い食べる。夫は「勝手に食べて」と言えば、必ず卵掛けご飯だ。そしてバター掛けご飯。夫はその2つも大好きで、放って置けば必ずそれを食べる。私は卵掛けご飯は好きではないが、最近TMGと言って流行っているそうだ。そんな事を言いながら、食欲が無いからお昼はステーキを食べた。

猫もウツになる

最近忙しすぎて、猫たちをあまり構ってやれなかった。それでも時雨ちゃんは、マイペースで勝手に甘え、うるさく鳴き、好きにしている。SORAは寂しく成れば、いつも通り泣き、用が有れば私を呼ぶ。ゾウさんだけが変だ。ベッドの下に潜って、なかなか出て来ないし、食欲も今ひとつだ。普段喜んで食べる「三ツ星グルメ」ドライ9種類も、催促していて食べない。関心がないようにしている。心配で様子を見ていたが、病気ではないようだ。相変わらず明け方私の額を手で叩き、ご飯を催促する。それでゾウさんの後に続き、台所に行き、1回分がスティックになっている袋を開けてお皿に移し、ベッドに戻る。するとまたゾウさんがやって来て私を起こす。仕方なく台所に行くと食べてない。何をあげても食べない。そこで最後の手段、私の手のひらにドライフード乗せて、口元に持って行くとガツガツ食べてお代わり。それを繰り返して殆ど食べ切る。他のフードでも食べる。

純粋な愛

仕事中も廊下で「ナオーン」と泣くので、仕事部屋に入れてあげると、スリっとして足元に座る。PCで手が使えないので、足で背中を撫でてあげるとゴロゴロいう。ここの所、散骨やその準備、ワクチンなどで、外に出ていることが多くて、本当に寂しかったようだ。昨日は玄関の椅子の上で待っていた。私は、ちょっと空いた時にゾウさんを見つけ、迷わず後ろハグで頭をゴシゴシする。寝ていれば、ゾウさんの頭に顔を乗せ、背中に身体を付けて、手で頭をゴシゴシし、「大好きよ」と囁く。ゾウさんも本当は、私を独占したいのだ。2人切になるととても喜ぶ。ベランダに出ていても私がどこかへ行ってしまわないか心配で、ずっとガラス越しに私を見ている。本当にオス猫は甘ったれだ。

動物は本当に素直に愛情が伝わる。脳の中に人間のような余計なものが無く、心と心で真直ぐに通じ会える存在が他に在るだろうか。

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