「風」の散骨のポリシー

日本でも散骨という形での葬送が、認められ行われるようなった1998年からの月日が過ぎようとしております。当社もすでに3000名を超える方を海にお還しし、23年の歳月が流れようとしております。

この仕事を通じて多くの皆さまとの出会いは、本当の意味での一期一会ですが、それぞれの方のそれぞれの思いにいつも心打たれ、大切な方との最後の「お別れの場」として、海でのセレモニーが、如何に良い思い出として遺族の方の心に残り、お癒しできるか、日々そのことばかりを考えております。

散骨を為さる方は、葬儀全体で年に100万という数からすれば、まだ1万人にも満たない数ですが、年々理解され増え続けています。それは勿論、少子高齢化という社会的背景や、自然破壊の防止的な意味合いもありますが、自然に還りたいという方、お墓に入りたくないという方本当に様々です。

天寿を全うされた92歳のお祖母様の遺骨には、小さなひ孫さんまで集まり、明るく和やかな式が行われ、思想を持ち哲学者として亡くなられた方には、教え子の方が多く集まり、先生の好きだったベートーベンとチョコレートケーキに昔話が盛り上がり、国連職員の方のご家族は、年末の帰京時の散骨でした。

対照的に身寄りの無い方、遠方の方などご家族が立ち合えない散骨もあります。そのような方々の人生の最後を、私たちは愛情を持って責任を果たしたいと思っています。どんな音楽を好み、どんなお酒を飲み、どんな花を愛でていたのか。その人がここに在ったという事実を本当に大切にしたいと思っています。