癌ステージⅣを5年生きて 28

散骨の風ディレクター KYOKO

猫と引越し

1月26日朝5時起きで、引越し荷物と移動の準備をする。8時半に業者の人が来て、持って行く荷物を積み出す。その後私たちは、部屋の後始末をし、身の回りの物と猫をそれぞれのゲージに入れ、車に積み込み出発。小豆島に住んでから、小さい車にしたので前に2人乗って、後ろの座席を倒してもゲージ3個を置くとスペースは殆ど無い。猫のゾウさんは、10kgを超える茶トラの牡で犬用のゲージだ。ゾウさんはここの往復、他の2匹の雌は3回目の引越しだ。SORAは野良猫の子でキジトラ今年19歳、時雨は三毛の捨て猫で18歳、ゾウさん置いてかれ猫か、横須賀の前に住んで居たマンションの駐車場で拾い、多分8歳位だ。彼らの移動時間は10何時間、往きはフェリーの待ち時間も有り、20時間を超えていた。車の中で泣き叫ぶ彼らの声を聞いているのはたまらない。ひとしきり泣いて、諦める子もいるが、泣き続ける子もいる。途中でトイレに行かず、水も飲まずじっと我慢している。昔、ニューヨークから猫のグリを連れて帰る時もそうだった。空港などでトイレを作ってあげても行かない。機内でもキャットフードを食べなかった。みんな落ち着くまで我慢してしまうのだ。

長いドライブ

私たちは、フェリーに乗り、姫路から高速道路を順調に走っていた。

しかし、大阪で道を間違え、どこだか分からない町を延々と走っている。関西、大阪方面の地名はほとんど馴染みがなく、大きな街の名前なら分かるが、地方の近隣を表示した名前は全然分からない。猫たちの為に1分でも早く帰りたいのに、埒が明かずガソリンスタンドに飛び込んだ。東京方面の高速の入り口を教えてもらい、休み無く走り続けた。この時の車は、ネットで名古屋まで取りに行き買った5万円のスウィフトだ。カーナビは無かったが、小豆島では要らないと思い、質素に徹していた。この車にも随分お世話に成った。島中をぐるぐる回り、名神、名阪、東名高速道路、首都高を走り、売った時も5万円だった。

結局、湯島の新居に着いたのは、夜8時過ぎだった。猫さん達ご苦労様。

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